12月30日 忘れない
「忘れない」ということは省み続けることを意味するのだろうと思う。
古い友達と久しぶりに会って来た。幼稚園から小学校までおんなじで、それからもちょくちょく会って、かれこれ17年の付き合いになるのか。
その割に、私は彼女のことを驚くほど知らない。正確には、知っていたはずなのだけど忘れてしまった。どんな性格なのか、夢はなにか、交友関係はどうだったか、どんな思い出を共有していたのか。
3時間ほどの再開はとても楽しかった。
「親友っている?って質問をこの間されたの。私が他人に抱く親愛の情は常に一定って感覚が強くて、だから"親友"とか、そういう括りをつける人のことはよく理解できない。とりあえず一番の古馴染みだからあなたの名前を出してみた。」
という言葉がうれしかった。
古い記憶をたぐってみる。自分の感情に主眼が置かれたものが大抵で、驚くほど他人との繋がりが出てこない。それが私の業なのか。
今年も早いもので、明日は遂に大晦日。年の暮れを目の前に、やれ文章が下手だ。人間としての厚みが足りていない。と、私事にばかりかまけている現実の自分。省みるほどに奈落の底に落ちるような虚しさを感じる反面、目指したい先があるのは幸せなことだと慰めつつ。
私はどこに向かおうとしているのだろう。